歳時記|6月 水無月(みなづき)



芒種と麦

不思議なのですが、丁度今頃を麦秋と呼びます。俳句の季語では、夏なんですよ。会社の周りの小麦畑は、まっ黄色に染まって、収穫の時を待っています。一方の水田は、田植えが終わり早苗たちが風にたなびいています。愛知県の三河地方では、こうした麦と米の共生が見られる時期でもあります。この時期を芒種と呼び、この芒(のぎ)とは、小麦や稲のように実がなる針状のもののことです。米の種を植える季節という意味で芒種といいます。

愛知の小麦は、きぬあかりで、きらず揚げやドーナツの原料になります。主にうどん用に使われるので需要者も多く、反収も高いので農家さんにはうれしい品種です。かつてこの安城界隈では、某大手ビール工場が名古屋にあった時代は二条大麦(ビール麦)を作っていました。収穫が、小麦より一週間早いので、この跡に米を蒔くことも出来たそうです。
他にも麦茶になる六条大麦もあり、今当店のレストランで使っているモチ麦も大麦の一種です。最近は、β-グルカンで効能が評価されるなど、一昔前までの厄介者だった国産麦が嘘のようです。自給率向上のためにも国産麦を食べよう!

愛知文教女子短大 安藤先生に聞きました
青梅のシロップ煮

梅仕事と呼ばれるように、梅雨時は仕込みの季節。今回はシロップ煮の作り方のコツを伝授していただきました。

―さっそく、作り方を教えてください。

安藤先生:手間のかかる作業ですが、テレビでも見ながら楽しんで作ってくださいね。まず、青梅を優しく洗い水気を取り、煮沸した縫い針で、40針ほど根気よく刺します。この時、種にあたるくらい深く差し込むと、皮が剥けずに綺麗に仕上がります。濃いめの塩水で一晩浸け、翌日洗います。まずはアクを取るため、銅製の鍋へ青梅を入れ、沸騰しないくらいの弱火で80℃20分煮こぼします。

―鍋は、「銅製」が良いのですね。

安藤先生:そうなんです。綺麗な緑色に仕上がるんですよ。銅鍋が無い時は、10円玉でも代用できます。煮こぼしたら、再び15分~20分水から煮ます。最後に、砂糖・水を同量で割るくらい甘いシロップでさらに煮て、タッパーへ移し冷まします。味が青梅にしっかり染み込んだら、完成です。すぐに食べられますので、梅酒などと合わせて作るのもおすすめですよ。

手間暇かけて作る我が家の味。子供たちと作り、年間の定番行事とするのもいいですね。六月も楽しみましょう。 (こま)