歳時記|8月 葉月(はづき)



お盆は何食べる?

元々日本の行事は仏教と共にやってきた文化が多く、お盆もそのひとつです。お坊さんが伝え広まったということは、この時期に食べる食事は本来、精進料理。精進の基本は動物不殺生。魚も肉も食べません。他にも、五葷(ごくん)と呼ばれる野菜(ねぎ・にら・にんにく・玉ねぎ・らっきょう)の強いニオイのものを食べません。ここだけ聞くと何だか難しく感じますが、昔ながらの日本の日常食を食べれば良いのです。お米と豆と野菜。それがわたしたち日本人のカラダにすっと負担無く入る食事だと思います。

お寺の台所・典座(てんぞ)では、農産物に感謝して調理する。食べる人のことを思ってつくる。丁寧に感謝することをとても大切にしています。便利で早いことも良いですが、ここはひとつ、カラダもゆっくり休める意味でもプチ精進を。 食べる人を想い、丁寧に調理すれば、自然と素材もカラダにやさしいものを選びたくなるもの。この時期はいろんなことに感謝する季節。是非体現いたしましょう。

食育活動 だいずきっず
記憶に刻む美味しい時間

「NPO法人だいずきっず」の代表 沢田さんにお話しを伺いました。

―だいずきっずとはどういったものですか?
2006年に発足した社内ボランティアサークルから派生した食育活動を行う団体です。「食」を通じて家族や地域との繋がりを深めながら、「共に育つ」をテーマに大豆の栽培収穫、豆腐作りまでの活動を「自分で作って食べる」ことを基本とした青空体験教室を毎年開催しています。

―活動を通して伝えたいものは何ですか?
家族と一緒に作る料理・地域の行事・畑のお手伝いなど、心に刻まれる 「美味しい・嬉しい・楽しい」記憶は大人になった今でも、食の原風景として心の中に生き続けます。食育体験を通して、無限の可能性を秘めた大豆と子ども達を中心に、共に成長できる機会を創り出しながら未来の子ども達に恩送り(ペイフォワード)を続けています。

家族で一緒に過ごす四季折々の経験は、季節が来るたびに想い出します。だいずきっずでは、7月に蒔いた大豆を10月に枝豆として収穫します。子供たちの笑顔に出逢えるのがとっても楽しみです。