歳時記|3月 弥生(やよい)

啓蟄

毎年、龍谷大学で行なわれている日本料理アカデミーの研究発表会に行ってきました。今年のテーマは「日本料理のテロワール」です。テロワールは、仏語でワインや珈琲などが栽培された土地の特徴のことを意味します。同じ品種でも土壌や気候によって大きく味が変わる。美味しいものを作り食する時は、その風土が大きな影響を与える。テロワールを日本料理に当てはめるというお題は、興味深いものです。彼らが日本各地に赴いて独自の郷土料理の素材をヒントに京料理の手法で組み直すというものです。

ちなみに私は、菊の井の村田さんの「鯖街道をさかのぼる」と瓢亭の高橋さんの「土佐のツガニ」を頂いたのですが、その味わいはテロワールを通り越して只旨いに尽き、その技に只管、敬服です。

その中の話で京都は、都であったために諸国から貢物が多く、海から遠く素材の鮮度で不利でも保存方法や加工技術を磨けたということです。ワインもいくら良いブドウがあってもブルワリーの技や舌の肥えた消費者がいなければ意味がないのです。京都を中心とした日本料理は、やっぱり文化遺産ですね。

減塩を意識してみる

私たち日本人はお塩が大好き。醤油・味噌・漬物…何も気にせずに普段の食事で過ごしていると、塩分摂り過ぎになりかねません。もちろん、「塩=全て悪」ではなく、私たちの体を維持するのに必要不可欠なもの。ですが確かに、塩を摂りすぎています。まめとくらしの研究所が勧める1日の塩分摂取量目安は7gです。減塩を進めれば、脳卒中や高血圧の確立が減り、むくみにくくなります。

一番簡単な減塩方法は、汁物を1日1食にすることです(汁物とは、スープ・ラーメン等も含む)。今回紹介している昼ごはんレシピでは、汁物無しで提案しております。また、野菜サラダにかけるドレッシングにも減塩ポイントがあります。ドレッシングは塩分が多く含まれているので、手作りがお勧め。お気に入りのオリーブオイルやココナッツオイル等、使い切れずに残りがちですが、油物はすぐに酸化してしまうので要注意。素早く使い切らなければなりません。そんな意味でも、一石二鳥。好きな油に少しだけ塩を足してサラダにかければ、野菜そのものの味も楽しめる簡単ドレッシングになります。

今日の行いは、明日の自分に繋がっています。少しずつ、楽しく、カラダに良い選択をしていきたいです。