大雪
師走になり書店の店頭に新しい手帳やカレンダーが並びました。百貨店には、クリスマス用品も並びお歳暮やおせちという文字も飛び込んできます。季節の変わり目、年の瀬がお店から感じる時期です。
新嘗祭も終わり、この時期は一年で一番の大切な迎春の準備という仕事があります。その中には、おせち料理の支度や餅つきといった仕事は子どもからすれば、障子貼りや大掃除の嫌なものと違って、それは楽しい仕事でした。昆布巻きを巻いて、田作りを煎り、黒豆を炊き上げ、伊達巻を焼くなど慌しい台所の音と香りは、喉を鳴らすに値するものでした。あんころ餅用のあんこを大鍋でコトコト炊き上げてまだ冷め切らないものをそっとつまみ食いした味は忘れられません。ほっぺが落ちるという感覚です。
かつて日本人が今よりも上白糖をたくさん使っていた頃、おせちもお寿司もあんこも甘く、ジュースもチョコもハレの日だった故に甘さへの執着も大きかったのです。
ハレの日を大切にするためにも、今年は、おせちの縁起物の一つ二つはお家で作ってみませんか。きっと愛情深い幸多い年になるでしょう。
これだけは作りたい、おせち料理
お正月は、新年最初に行う大切な行事。はるか昔から伝わるお正月の風習は、大切に受け継いで行きたいものです。その風習はどれも、元をたどれば家族皆が幸せに暮らせますようにとの思いが込められています。年に一度のお正月、手作りで心のこもったおせち料理を食べたいですね。忙しい日々ですがこれだけは作りたい、おせち料理をご紹介します。
黒豆1カップを綺麗に洗い、一晩水に漬けておきます。翌日、黒豆を10カップの水で煮立て、表面に浮くアクを取り、そのまま弱火で柔らかくなるまで煮ます。水3カップ、砂糖1カップ、塩・醤油小さじ1、生姜の汁大さじ1を煮立て、その中に黒豆を入れて一煮立ち。ゆっくりと冷ませば照り良い黒豆煮の完成です。
昆布約100cmを濡れ布巾で拭き、6カップの水で戻し4等分する。にしんはぬるま湯で洗い、頭を切り落とし4㎝程度の拍子切りに。干瓢は酢水で戻します。にしんを芯にして昆布で巻き、干瓢で結びます。昆布巻きの結び目を下にして鍋に並べ、ひたひたになる位の昆布のもどし汁・みりん大さじ3を入れ、落し蓋をして10分煮ます。醤油大さじ3を加えて弱火で40分煮、冷ませば出来上がり。