歳時記|7月 文月(ふみづき)

夏越の祓いが終わると、いよいよ本格的な梅雨がやってきます。ジメジメしてまとわり付くようなあの暑くて重たい空気の日々です。憂鬱ですよね。梅雨の合間に出かける朝の散歩の風景は、緑の絨毯の水田と黒い作土の大豆畑のパッチワーク模様です。

大豆の種は、水に24時間つかると死んでしまいます。梅雨時のこの時期は、種を蒔いて長雨になるとアウトなんだそうです。農家さんは、天気予報を見ながらの作業です。その田んぼの大豆は、早いものでは双葉になっているものも見かけます。やがて夏を越して腰丈まで成長した大豆は、9月になるとスィートピーに似た可憐な小さな紫の花(白いのもあります)が咲きます。そう、スィートピーはマメ科だから似てるのですよ。

散歩中に遠くで草刈り機の音がしています。朝の涼しい時間に畦草刈りをしているようです。昔に比べればずいぶん楽になったと農家さんは言いますが、頭が下がる思いです。感謝して夏の暑気払いに冷やっこをどうぞ。

医食同源 きちんと夏を過ごす

これから日本の夏本番。今年こそは夏バテにならないぞ、なんて気合も十分。ですが、いざ八月頃になると暑さと食欲不振もあいまって疲れが溜まり、身体がだるくなってきます。思いっきり夏を楽しむためにも、毎日の食事で予防をするのが一番。そうめんなど炭水化物に偏るのでなく、肉・魚・野菜・大豆製品とバランス良く食べられるといいですね。

昔からうなぎは夏バテに効くと言われていますが、この理由はビタミンB群が豊富なため。夏場は汗をかくことでビタミンB1が不足しやすく、疲労やイライラといった症状が起こりやすくなります。そこでビタミンB1も豊富なうなぎが大活躍、というわけです。しかし、昨今うなぎは大変高価で日常的に食べられるものではなくなってきました。手軽にビタミンB1を摂るには、もっと身近な豚肉がおすすめ。分厚く切ったロース肉を一晩じっくり味噌漬けにしてこの時期にピッタリのにんにくもプラス。スキレットで焼けば見た目も豪華な食欲そそるご馳走に。野菜も味噌と一緒に炒めて、夏を元気に過ごしましょう。