梅仕事のすすめ
味覚は記憶が作るもの。そう実感できる代表例が、梅干しでしょう。なぜなら、この単語を聴くだけですぐに唾液がでてくるから、不思議ですよね。
そんな梅は、青梅~黄熟梅まで成熟度によって色んなものに加工できる魅惑の食材です。現代では、農業技術の進歩により旬を感じられる食材が少ないですが、梅は違います。今も昔も変わらずに梅仕事が出来るのは、一年の内でもこの時期だけなのです。
「梅は三毒を断つ」「朝夕一個食べれば医者いらず」と言われるように、昔からその効能が良く知られ、疲労回復・食欲増進・整腸作用・老化防止や骨を強くするとも言われます。梅の実は一般的に生食せず、梅干しや梅酒、梅エキス、梅ジャムなど多種多様に加工されます。どれも保存がきくものなのも嬉しいところ。
そんな梅仕事、初めての方には、今の時期・六月上旬の青梅がおすすめなのだとか。六月下旬の黄熟梅は柔らかく、デリケートなのでまずは青梅で慣れてからの方が良いそうです。早速私も青梅を手に入れて、梅仕事デビューしてみたいと思います。
わたしのお気に入り ~道具編~
日本には後世に残していきたい伝統工芸品がたくさんあります。中でも棕櫚(シュロ)製品は、わが家に何種類もあり、用途に分けて愛用しています。
棕櫚製品というのは、やしの木の皮をはいで繊維状に加工したもので、均等に繊維をまとめあげ、成型をします。仕上がった箒やタワシは、まさに職人技。タワシだけでもいろんな形があり見ているだけでも可愛く心揺さぶられるのです。
そもそも、日本は木造建築が多く、室内は畳部屋。棕櫚箒で畳を掃くと自然とツヤが出ます。また、掃除道具だけでなく、柔らかい棕櫚タワシは体洗いにも最適。軽くこすれば体の血行も良くなります。
いずれも適したお手入れが必要ですが、そこがまた愛着が湧くところ。いい道具は、何といっても自分自身が大切にし、長く使います。時間を費やす家の中だからこそ、自分が納得してこだわった道具を。地球にやさしく、自分にもやさしくですね。